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​Note

気仙沼ニッティングのオリジナル毛糸


先日もご案内させて頂いたのですが、10月13日(金)から19日(木)の期間「気仙沼ニッティングの販売会」を行います。


気仙沼ニッティングは、気仙沼を拠点とする手編みの会社です。

地域の編み手さんが編むセーターを皆様にお届けしております。


手編みは文字通り、手で編みます。急いで編んでも、のんびり編んでも、ひと目ずつしか編み進める事が出来ません。

編まれている長い時間に、その場の空気やら、やさしい気持ちらが編み込まれていきます。


そして、「理想のフィッシャーマンセーターをつくるには、それにふさわしい、理想の毛糸が必要。」


気仙沼ニッティングのセーターは、オリジナルの毛糸をつくるところからはじまりました。


どの羊の毛を使うのか?どんな配分で混ぜるのか?


どれくらいの撚り(より)を入れるのか?ひとつひとつ試行錯誤しながら開発を進めることで、

限りなく理想に近い毛糸をつくり、気仙沼ニッティングのセーターは現在のカタチになっております。


手編みのセーターの為に一から糸を開発するというのは、とても贅沢で、遠回りのようでもあります。

その為それが、とても高価で貴重な理由でもあります。





それでも理想の毛糸を作るところから始めたいと思ったのは、

手編みのフィッシャーマンセーターの本場アラン諸島に行ったことがきっかけだったとの事。


アラン諸島のセーターはシンプルなのに、しっかりとした表情があります。

どうしたらこんなセーターが編めるのでしょう。

探っていくと、そもそもアラン島のセーターは、日本のものとは糸が違うことがわかりました。


アラン島のセーターは、かっちりと、撚りのきつい糸で編まれています。

そんな糸で編まれたセーターは、アラン島の強い風から身を守るように固く密です。

固く密な毛糸が、このキリっとした模様をつくりだします。


ただ、そんなアラン島のセーターは、 私たち日本人には すこしばかりゴワゴワしているようにも感じられます。

(私自身もそのがゴワゴワが気になり、さまざまなセーターを試しました。)


一方で、日本で使われる毛糸は 肌触りを重視したやわらかい糸が多いため、

アラン島のセーターのような しっかりとした柄は出にくいのだとか。


本場・アラン島のセーターのようにキリッと柄が立ち、

それでいて着やすいやわらかさがあり、 かつ、ずっと長持ちする糸はできないものだろうか‥‥。

(もちろん、水洗いも可能な)


そんな、無茶な夢をもつことから、 この気仙沼ニッティングの毛糸づくりは始まりました。


こんなわがままな要望を受け入れて、 一緒に毛糸づくりをしてくださったのは、京都の手芸糸専門店、AVRILさん。


毛糸ができるまでには、4つの工程があります。

1. 原料選び

2. 紡績

3. 撚糸(ねんし)

4. 染色


AVRILさんとの糸づくりは、 いちばん最初の原料選び、 つまり、羊を選ぶところから始まりました。


羊にもいろいろな種類があり、毛がもじゃもじゃのものもいれば、短いものもいる。

また、同じ種類の羊でも、年や地域によって毛質が違います。


気仙沼ニッティングオリジナルブレンドの毛糸は、ただ柔らかいだけではなく、コシもとても重要なポイント。


その為、スペイン生まれ1種、イギリス生まれ2種の3種類の羊の選んでおります。

(毛糸というものは、違う毛質とのブレンドの妙で、その毛糸の風合いがが決まります。)


羊毛のブレンドが決まると、紡績をして、撚糸の作業に入ります。

撚糸とは、紡績した羊毛を撚って、糸の形状にすることです。

(1メートルに5回、撚りを増やすだけで、糸の風合いはまったく変わります。)


何度も糸を撚りなおしては、見本糸を作り。

そしてそれを、実際に編みながら、

気仙沼ニッティングのセーターに一番最適なものを探していきました。


ゆるすぎたり、きつすぎたり、 手ざわりはいいけど、柄が思うように出なかったり。


ひとつひとつ、試行錯誤しながら加減をたしかめ、 進めていくしかない作業です。


毛糸をつくりはじめて数か月。ついに、毛糸が完成した。

「気仙沼ニッティングの皆様が信じる、フィッシャーマンセーターにとって最高の糸」


世界のどこにもない、気仙沼ニッティングのためだけにつくられたオリジナル毛糸。

※優しい風合いの中にコシとハリがあり、もちろん水洗いも可能。


そのオリジナル糸を使い、ご注文をいただいてから編み始める、セミオーダーのセーターが「Me」です。





「できるだけシンプルで、気の利いたシルエットの手編みのいいセーターが着たい。」


そんな声をいただいて考え始めたのが、この「Me」というセーター。


もちろん、シンプルで気の利いたセーターというのは、ないことはありません。

でも、気仙沼ニッティングとして、「私たちはこう考えます」というものを、

形にしてみようと思いデザインされております。


羊毛の特徴の反発を理解しつつ、程よいつまり具合のネックデザイン。

肩位置が決まっておらず着用頂いた方に合わせて馴染んでいくエポーレットスリーブ。

丸みを帯びたシルエットながら程よく止まる裾幅。


そして、自分にぴったりの色をみつけられるように。

「Me」は様々な色をご用意し、全11色




どんな色がいいか、どうしたら美しい発色になるか、

毛糸屋さんや染め屋さんとも相談しながら、1色ずつ、何度も試して、つくった色たち。


どの色も、それぞれきれいにできており

好きな色、似合う色を、見つけて頂けます。



1.生成り

生成りは、羊そのままの色です。

染色はしておらず、羊の毛の汚れを落とし、きれいに洗浄して仕上げました。

羊からそのままやってきた色だからか、生成りは、やさしく自然な雰囲気です。

着るとふわっと明るく見えるため、つい暗い色を選びがちになる寒い季節に、生成りのセーターは重宝します。  


2.オートミール

麦畑のようでもあり、小動物の冬毛のような色でもある、オートミール。

素朴で自然な色あいで、肩肘はらずにリラックスして着ることができる色です。

ボトムスやアウターの色を選ばず、コーディネートしやすい色でもあります。

着ていると、あたたかい毛にくるまっているような気分になります。



3.グレー

手編みのセーターではあまり見ない、混ざりけのない単色のグレーです。

どこか都会的な雰囲気のある色で、手編みの朴訥(ぼくとつ)とした質感のある編み地と、

このクールな色合いのグレーが組み合わさると、なんとも魅力的です。

やわらかくなり過ぎず、かっこよく手編みのニットを着たい方には、とくにおすすめです。



4.チャコールグレー

チャコールグレーは、羊毛を糸にする前に、綿の状態で染める「トップ染め」という手法で染めた、霜降りの糸です。

複数の色が絡まった糸なので、単色にはない豊かな表情を見せてくれます。

決して派手ではないですが、落ち着いていて、穏やかで、着る人にすっと馴染んでいきます。



5.ネイビー

ネイビーは、フィッシャーマンズセーターの王道の色です。

一口にネイビーと言っても色に幅がありますが、気仙沼ニッティングのネイビーは、

にごりがなく、かなり黒が深く入った、奥行きのある色です。

「Me」をビジネスカジュアルでも着たい方には、

このネイビーはおすすめです。品のいい雰囲気です。



6.春の海

気仙沼の、春の海をモチーフに作った色です。

春を迎え、だんだんとあたたかくなると、気仙沼の海からはモヤが立ち、

空と海全体が、かすみのかかったような色になります。その色を毛糸に染めたのが、

この「春の海」。冬の長い東北で迎える春は、うれしさもひとしお。そんなうれしさまで染みているような、

静かだけれど明るい色です。




7.冬の海

気仙沼の、冬の海をモチーフに作った色です。

海と山が近い気仙沼では、たくさんの養分が注ぐのか、海が生命力にあふれた緑がかった青色をしています。

とくに冬になると、その色が濃く澄んで、美しい。

その色を毛糸に染めたのが、この「冬の海」。

ブルー系なのですが、寒々しさがなく、不思議な豊かさのある色です。



8.ロイヤルブルー

モードな雰囲気のある、あざやかなロイヤルブルー。

海の青というよりは、ときどき見られる空の青、に近いかもしれません。

大雨のふった翌日、ちりが落ちて空気がすっかり澄んでいる日、

日が暮れて、空が上の方から青くなり、一つ二つと星が見え始めた時分の、空の青。清々しい色です。



9.みどり

あまり見たことがない「みどり」かもしれません。

まず、はっとするほど発色が美しい。そして、青々とした透明感のあるみどりです。

夏の朝、霧のかかった草原の、つゆにぬれた下草のようなみどり、とでも言いましょうか。

とてもきれいで、かっこいい色です。黒や紺色などにあわせると、よく映えます。



10.きいろ

春の野に咲くタンポポや、満開のミモザを思わせる、あざやかな黄色です。

クリーム色や、黄土色、山吹色などに寄ることがない、まっすぐな、純度の高い黄色です。

あざやかではありますが、にごり気がないからか、着ると意外と派手ではなく、品がよいのです。

「こんな色も、似合うんだ!」と発見してもらえたら、うれしいです。



11.赤

あるようでない、混じりけのないまっすぐな赤。

冬場、黒いコートからちらっとこの赤がのぞいたりすると、とってもかっこいい。

いさぎよいストレートな赤は、着るだけで元気が出るような色でもあります

。手編みの赤いセーターというと、古典的でもありますが、この色はどこかロックです。




お好きな色の毛糸をお選び頂き、サイズサンプルをご試着いただき。

そこで気になる、袖の長さや着丈の長さを決めてから、お客だけの「Me」を編みはじめます。


なので「Me」は、自分にぴったりサイズのあったものをつくることができます。


おまけですが、「Me」はイニシャルを入れられます。


前見頃の左下のすそに、アルファベット一文字のイニシャルを編み込むことができます。

セーターの裏目を使い、刻印のように入るイニシャルです。


ご自分のために編まれたセーターである印を、ここにどうぞ。


一見地味に見えるこのサービスですが、私はとても嬉しい。

絶対入れたいと思う。こっそりと誇らしく。




「Me」は、着ていると自分らしくいられる、 楽しいセーターになったと思います。 ご注文の前には、ぜひ、 いろんな色をためしてみてください。 意外な色がにあったりして、 おもわぬ発見があるかもしれません。

― 気仙沼にニッティングの代表の御手洗瑞子さんより



身幅は、S(48cm)・M(53cm)の2サイズからお選びいただきます。

Sは女性の標準サイズ、Mは男性の標準サイズです。

ですが、男女兼用のデザインですので、 たっぷり着たい場合はMサイズ、タイトに着たい場合はSサイズ、 などお好みにあわせてお選びいただけます。


身幅のサイズをお選び頂いた後に袖丈/着丈が調整させて頂きます。

ご注文をいただいてから、編み手さんが一から編み上げますので、

自分にとってちょうどよい長さで編んでもらうことができます◎


腕が長くて、既製の服だとそでがつんつるてんになりがちな方は、そでは長めに。

逆に、いつも手にそでがかぶってしまって折り返しているという方は、短めにお作り下さい。


とは言ってもサイズ感に不安があるかと思いますので、私が的確なサイズをご案内させて頂きますのでご安心ください。



【Me/クルーネックセーター(受注生産品)】

サイズはS(レディース/メンズ小さめ)/M(メンズ)で展開しております。

価格110,000-(税込)

※納品まで2ヶ月程度頂いております。



次回は、似ているようで、糸が変わればサイズ感やデザインも別物の「Me2」をご紹介致します。

※更新致しましたこちらからご覧ください





「気仙沼ニッティング販売会」

期間:2023年10月13日(金)から10月19日(木)

※通常木曜日は定休日になりますが、会期中の為臨時営業致します。

会場:CLOTH&CLOTHING


展開アイテムは販売会で展開している全てのアイテム、全てのサイズをご注文頂けるようにようになっております。


内訳としては、

・当日お持ち帰り頂けるアイテム

①Etude

②ポンポン帽子

③カシミヤマフラー

④カシミヤストール

⑤Voyage

⑥Unicorn


・受注生産品

①me

②me2


※当日お持ち帰り頂けるアイテムは完売致しましたら受注生産品へ切り替えさせて頂き、約2ヶ月の製作期間をいただきます。



エチュードのご紹介はこちらから

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